私たちの施設に、最近心温まる物語が生まれています。
90代の入居者様が、人生で初めてピアノに挑戦を始められたのです。
その姿に、私たち職員一同、深い感動を覚えています。
この方が語ってくださった言葉を、まずはそのままお伝えしたいと思います。
「私は戦争中を生きて音楽はできなかったんです。
戦争後、子供達が楽しくピアノを弾いているのを聞いて
探り探りピアノを弾いていたんだけど楽譜が読めなくて弾けなかったんです。
仕事もしていたし習いたくても習えずに、この年になってしまって
だけどやっと、この施設に来てピアノがある環境だし
いつでも練習できるから人生最後に自分のやりたいことを
ちょっとでもいからやって楽しもうと思ってはじめました」
この言葉には、長い人生の中で抱き続けてきた夢と
それを実現しようとする強い意志が感じられます。
2ヶ月前、初めてピアノの先生の指導のもとピアノに向かった日から
毎日30分、コツコツと練習を重ねられています。
最初は戸惑いも多かったそうですが
日々少しずつ上達していくのが楽しいと話して下さいました。
楽譜が読めるようになってきたこと
指が少しずつ思い通りに動くようになってきたことなど
小さな進歩の一つ一つが大きな喜びとなっているそうです。
またロビーに置かれたピアノから流れる音色に、皆さん耳を傾け
時には優しい励ましの言葉をかける方もいらっしゃいます。
この方の挑戦は、多くのことを教えてくださいます。
年齢に関係なく、新しいことを始める勇気!長年抱き続けた夢を諦めないこと!
新しい喜びや達成感を味わえるということです!
こんな大切なことを、ピアノの音色とともに教えてくださる
入居者様に心から感謝しています。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。